1960年式寄せ集め号の寄せ集めエンジン

入手した60年鷲鼻フレームに手持ちのパーツを寄せ集めて再生した寄せ集め号。

寄せ集め号を愛媛のIさんに送る時、オリジナルのエンジンが間に合わないので暫定的に転がってた61年のエンジンを載せたんですね。しかしこのエンジンもクランクがダメでエンジンかけたら異音しまくり(^_^;)・・・ 急遽後期のクランクに組み替えて送り出したのでした。

あれから早2年近く経ちます。いい加減オリジナルエンジンをお渡ししなければ と思いまして、作業開始です。

以前からザッと組んではあったんですが、確認したい部分があったのでまずは全バラしました。

クランクケースの歪みや合わせ面の深い傷（タガネ等を打ち込んではいけませんね）を取るために面出しを行いましたが、あまり削りすぎるとケースを締めた時にクランクの回りが渋くなってしまいます。このケースもかなりしつこく（笑）面出しした記憶がありましたが、組む時は先にオイルシールを入れて組んでしまったので、オイルシールの抵抗でクランクが渋いのかケースの問題なのか判断できなかったのです。

オイルシールも外し、オリジナル0.5mmのガスケットを入れたケースにクランクを入れてケースを合わせてネジを締め付けます。予想通り、若干クランクの回転が渋くなりましたので、0.8mmのガスケットシートで作り直したものに交換してクランクの回り具合を確認。今度はオッケーです(^^)。

確認しといて良かったです(^^)。

一気に組んで行きましょう。クランクは、オイルシール当たり面の腐食が酷かったので、一度クランクシャフトを削ってから17mmのカラーをレーザー溶接して頂いてます。もちろん現代の素材で作ったクランクピンと現代のニードルベアリングで組んでますので、ガンガン回して下さいね(^^)。

カラー入ってるの分かりますか？

クラッチのドライブプレートは、以前pspさんに譲って頂いた新品です(^^)。フリクションディスクも新品です。

オイルスルーは、先日アミーゴさんに補修して頂いたものを入れました。磨耗や腐食の少ないカムプレートに入れ換えてあるので安心です。

ボールリテーナーも程度の良いモノの歪みを修正して取り付け。

写真撮り忘れましたが、右側クランクケースのクラッチ側のカバーとの当たり面に深い傷があり、液体ガスケットで誤魔化そうと思ったのですが、ここのガスケットも0.8mmで作ったので面出ししちゃいました。   

続いて腰上。0.5オーバーサイズにボーリングしてあります。新品のピストンリングをひとつひとつハメてみて合口の幅をチェックしておきます。

箱から出してみると錆が酷かったり・・・3箱開けて良いものを選びました(^_^;)。ピストンも新品のS2。スカート部分など軽く面取りしました。

シリンダーヘッドは、新品バルブにてシートカット&擦り合わせをお願いしたものです。バルブスプリングは中古良品で(^_^;)。

Oリング、自分は当時もの社外のウグイス色のが好きなんですが、純正がで出来たのでこちらを入れてみました。

グリスを少し塗っておくと、組む時の振動などで落ちないですよ。

ヘッド取り付けナット4つのうち、カバーに覆われない1つだけ錆びたのを使うのは自分のこだわりです(^_^;)。

ヘッドカバーを取り付けて完成！

クラッチに関しては、シフトペダルを踏み込んだ状態でキックが滑る（クラッチが切れている）事を確認してあります。また、クラッチカバーを取り付けてから、アジャスティングボルトによるクラッチ調整幅が適正かも確認しました。


うちには吊りカブしかないので、吊り以降の二つ星エンジンを載せて試運転が出来ないんです（シリンダーのフィンが吊りブラケットに当たるため）。


もし始動させてみて不具合が有れば対応しますが、各部調整や増し締めチェックなどは宜しくお願いしますね、Iさん！
エンジンは本日発送します。


ついでに、吊りカブ6号君のエンジンもシリンダーヘッド入れ換えなどを行い組み上げました(^^)。吊りカブと吊り無しのツーショットです。

 明日からは59年エンジンを組む予定です。